黒部市史の記録に100年前、北陸本線(富直線)が開業した日の文章があります。下記に抜粋しました。
(略)『間もなく三日市(現黒部駅)に着く。駅前には特産の経木真田織で、うす黄色の半永久的な大アーチを設け、八方に吊した万国旗も経木細工。三間に一間程の名所案内もまた経木織で、経木づくめの奇抜な意匠が目をひく。駅にはもう二、三軒の茶屋がある。町でも軒並みに桜花をさし、球灯を吊して祝っているそうな。』(略)
『間もなく生地に着く。ここは三日市以上の賑わい。学校の生徒数百名が、小国旗をもって構内に整列し、楽隊にあわせて唱歌をうたい、列車の発着に万歳を唱えてくれる。駅前の、まだ壁のついていない茶屋の二階から、能面をかむった人が餅まきを始める。』(略)
『かえずがえすも、沿道住民にとって幸福の日であった。』